出来なかったこと 5

出来なかったこと 5には、「私がしたこと」の中で触れたことについて書いておく。先に「したこと」に入れたのは、実は間違いと言ったほうが事実に近い。

それは、「レファレンスをいわゆる調査相談に限定せずに、授業で分からない点や悩み相談にも応じられるように、投書箱を設け、相談見本もおいて、本格的ではない、それだけ生徒に近い学習相談室・進路相談室・保健室・カウンセリング室的機能も持たせたいと工夫してみて、若干の相談は引き受けたが、思ったような展開と広がりは得られなかった。私の力不足だ。」と書いた部分だ。

私の図書館観は、すこし歪かも知れないが、公共図書館学校図書館も弱者のためにあるべきだと考えている。社会のセーフティーネットであるべきだと考えている。詳述するとなると、かなりの字数を使うので今は止めておく。

司書は心理学を専攻した専門のカウンセラーの知識と資格を持っていてもいいのだが、むしろいわゆるメンターであれば、資格よりは心構えといおうか、いつも弱者(と言って哀れみ、見下ろす意味ではない)に耳を傾ける姿勢の持ち主であれば、いいと思っている。司書資格+メンター気質の持ち主であればいい。

学校では当然授業が行われる。先生の講義が分からなければ、授業中に手を挙げて質問する。こんな生徒ばかりが生徒ではない。質問したくても恥ずかしい。授業を止めるのは嫌だ。ほかの生徒の邪魔もしたくない。そんな生徒が図書館の相談ボックスに質問を書いて投函する。司書が回答できなければ、司書教諭を通じて、担当の先生に回答していただく。

こういうシステムを公式に確立する。進路相談・悩み相談・健康相談も当然含む公式のシステム(これはできる限り柔軟性に富んだ融通の利くシステムであり、できる限り密かに運用されるシステムであるべきだと考えている)にしていく。

これらの実現には教員集団の理解と協力がなければならない。つまり、学校図書館職員だけでなく、教員の意識が課題となろうかとおもうが、やってできないことではない。後進にその実現を託したい。