版と刷り 出版地  頁付け等々

図書記号について書いているうちに、昔々疑問に思ったことをだんだと思い出してきたので、書いてみる。

出版事項:出版地・出版社・出版年
  出版地はなぜ表記するか。日本では圧倒的に「東京」が多いので、東京23区の場合は、省略する便法は習ったように思うが、何故、出版地を記述するのかは教わらなかった。のちに「英米目録規則」を読んでいたら、学問的な著作の著者についての知識がない場合、出版地によって、ある程度の類推が可能になるケースがある。つまり学派が推定できるので、選書のひとつの手がかりを提供するとあった。社会学や経 済学におけるシカゴ学派ロスアンジェルス学派などが念頭にあったのであろうか。

  出版年は、初版年を、改訂版の場合は、改訂年を表記し、刷年次は無視すると習った。また、日本では、刷を版を混同しているケースが多 いので、図書上の表記に惑わされないようにしろとも習った。これはこれでいいでしょう。ところが、

対照事項:ページ数・図版・大きさ
  ページ数は、異版や異刷を区別できるように、前付けページ、本文ページ、後付ページをきちんと記入しろと習った。例(ix,542,vi)

  ならば、出版年のところでも、刷年次を記入し、版年次を補記するかたち  2008 第3版第5刷[初版1980 第3版1998]
 と記述してはどうなのか。あまりに煩瑣になるのであろうか。

  図版、この定義が曖昧なので、記述したりしなかったりカタロガーの恣意的な扱いになりがち。意味ないのではないだろうか。むしろ特記 すべき図版は内容注記での詳述が望ましい。また、レファレンス等で内容注記の、参考文献・著者写真表示は大いに役に立つと思った。

書名表示・著者表示
 背の表示・奥付表示・表題紙表示が違った場合は、必ず注記すること。監修者も無視してしまうよりは、注記に入れるのがいいだろう。

 そして、すべてが、コンピュータ検索でヒットできるようにしておくことが、大切だと思う。