就職面接と読書

今日から4連休である。今までの数年、365日連休だったので、連休と聞いても何の感慨もない。むしろ、日給が入らないだけ、休みは嬉しくないか・・・。

この日記も当然、休みなのだが、大事なこと、気になってしかたがないことがあるので、書いておく。一昨日の出来事だ。自由読書とかで、大騒ぎだったときに、一人の引っ込み思案のもの静かな生徒に「就職試験に関する本」の所在を尋ねられた。もちろん、該当書架に案内したが、あまり書架にある図書には関心がないようだった。確かに古い本が多く、量も少なかった。そこで、「進路指導室には、ここよりずっとあるから、そこにも行ってみたらどうですか」と勧めた。それでも、なお、訊きたいことが残っているようだったので、少し、耳を傾けるポーズをとったら、「面接のとき、愛読書とか、最近読んだ本のことを聞かれると思うので、その準備をしておきたいのですが・・・あらすじなんか言えないとダメでしょうか」そんなことを聞いてきた。

その質問に対する私の回答に不十分なところがあった。それが、ずっと、気になっているのだ。質問は、いつも、こちらの心の準備がないときに、突然されるものだから、柔軟に、適切に、機転を利かして対応し、回答しなくてはならないのだ。今考えると、生徒は「読書に関しての面接準備をしっかりしたい」ということだったのに、「一般的な就職面接の本」を聞かれたと思い、それに対応すればいいとする心が最後まで脳裏を離れず、肝心の生徒の真意に十分に対応できていなかった反省が、生徒が帰ったあとになって、出てきたのだ。頭の回転が鈍すぎるのである。

「面接する人は、あらすじをこまかく知りたいのではなく、あなたが、どういことに、どう感動する人なのかを知りたいのではないのかな。だから、あらすじをよどみなく言えるようにしておくよりは、感動した部分が話せればいいのでは・・・」私は、こう答えた。

もう少し丁寧に話して置くべきだった。せっかく、私を頼りにして聞いてくださったのに、乱暴すぎたと思うのだ。「あらすじを細かくいう必要はないが、少なくとも、読んだ本を、読んだことがない面接官に、簡単に伝えられるようにしておくことは必要だと思う。例えば、心臓病を患っている少女の闘病記です、くらいに」これくらいのことは、回答に含めて置くべきだったと、いま、後悔している。

連休明けにでも「進路指導室」を訪ねて、この経緯を説明し、担当教員にフォローして貰おうと思う。そうしないと、かなりの勇気を振り絞って、図書館員である私を信頼して、尋ねて下さった少女に申し訳ないと思うのだ。