高等学校図書館が出てくる本 4

今回は図書ではなく司書研修会で行った実践報告の参考資料で、A4 、16頁のペーパーである。『福島図書館研究所通信』に発表された記事の抜粋から成っている。

「県工図書館:1年目」、『福島図書館研究所通信 9号』 2008.3.1

1.劇的にビフォー?!  (これが図書館??)  ( )内は私の勝手な記述か、見出し語
                               ではない。以下同じ)                               

2.・・・・・・アフター     (改造繰り返して図書館らしく)

3.最後に一言       (どうすればいいか、まるでわからない。だが・・・・・・。じぶんのな
                かにある熱を信じるしかないじゃないか。ー石田衣良

「県工図書館:2年目」、『福島図書館研究所通信 11号』 2009.4.1
                          

1.3つの「た」 たのしくて、ためになる、みんなのたまり場

   “図書館は、古くて汚くて難しい本しかない場所ではない”と知ってもらうこと

2.「たのしくて」・・・?
  趣味に走る
  どんどん走る
  飛脚の如く

3.「ためになる」・・・?
  話せば長いことながら・・・

4.「たまり場」!
  図書館をもっと身近に
  暮らしの中に
  たまってくれ、生徒諸君!  (人集めの切り札は猫カレンダーですよ!)

5.最後に一言
  (自館を“死に態”図書館にはしない)

「県工図書館:3年目」、『福島図書館研究所通信 13号』 2010.4.1

1.こだわりの数字
  (貸出冊数にこだわることに対する批判がある。「貸出は学校図書館活動の一部に過ぎ ない」「ライトノベルをたくさん読んだといって、それが何になるのだ」etcというような。大いに反論したいが、ここでは触れない)

2.たのしくて・・・
  業務オタク化
  ガンダム30周年
  イケてる図書館?!
  2月22日は・・・!

3.ためになる・・・
  何か違うような
  「ギブ・ミー・調査相談!」

4.たまり場!
  (図書館なかったら、オレ、学校来るの、やめてましたよ!)
  暑さ寒さも悲願まで・・・
  アートな図書館  (コラボレーション 美術部&図書館)

5.過労死製造装置?

6.最後に一言!
  (「読みたい本、何もねぇっ!」から「やっぱり、図書館って、いい雰囲気の所ですね」)

「県工図書館 A to Z-県工図書館:3.5年目-」
『福島図書館研究所通信 14号』 2010.10.1
A:Abe Chiharu(阿部千春)

B:Budget(予算)
  (県費の図書費2000円!)

C:Cat(猫)
  (全国の学校図書館の皆さん、人集めの切り札は猫カレンダーですよ!)

D:Dogma(信条・教義)
  (「めざせ、“無料貸本屋”!」「図書館には2つの悲劇しかない。一つは金のない悲劇。もう一つは新刊本のない悲劇。図書館は金だ。金が奇跡を生む。」

E:Entertainment(「県工エンタテインメント!」コーナー
  (映画のチラシと原作本・マンガ)

F:Fund(ねこの手ファンド)
  (自腹を切っていない司書はいない)

G:Gundam機動戦士ガンダム
  (収書の基本路線のひとつ)

H:Hot &cold(暑い。そして、寒い)

I:Invitation(「インビテーション!」)
  (いらっしゃいませ! ようこそ! welcome!)

J:Jiman(自慢)
  (入り口のドア 上から下まで素通しのガラス)

K:Konai,Karinai,Kenko toshokan([誰も]来ない、[本を]借りない、県工図書館)

L:Light novel!(ライトノベル)
  (県工図書館の収書の基本路線「ラノベガンダム・空想科学」の一つ)

M:Mission(図書館の使命、司書の使命)

N:Netchu-ame & ouenshoku(「熱中飴」と「応援食」)

O:OB(前々任者、前任者)

P:Personal computer(パソコン)

Q:Question(質問)
  (調べものに役に立つ図書館というイメージの定着は、まだまだだろう。)

R:Recreation(レクリエーション)
  (図書館法にはあって学校図書館法にはないが・・・)

S:Science([空想]科学)
  (県工図書館の収書の基本路線「ラノベガンダム・空想科学」の一つ)

T:Three T(3つの「T」)
  (楽しくて、ためになる、[みんなの]たまり場 あるいはオタクによる、オタクのための、オ  タク図書館)

U:Usankusai,ushirometai(うさんくさい、後ろめたい)
  (自分の図書館によせる思いの一端)

V:V字回復
  (前任者時代から減り続けていた生徒一人当たりの貸出冊数が0.9冊から4.4冊に)

W:Wa([人の]輪)
  (本来は「和」だが、あえて「輪」 ひとのつながり)

X:X-MEN(X-メン)
  (映画公開時にチラシとパンフとノベライズ本とその原書)

Y:Yabe or Yabai(やべー、或いは、やばい)
  (生徒が図書館に対して放つ賛嘆の弁)

Z:Zosho(蔵書)
  (古くて汚くて難しい本を除け、やがて廃棄へと)

「県工図書館:4年目」、『福島図書館研究所通信 15号』 2011.5.1

1.夏ニモ負ケズ、冬ニモ負ケズ
  (財政難で光熱費がない)

2.県工図書館10大ニュース
  ①4月 委員会編成を前に、初めて、図書委員募集ポスターを掲示
  ②4月 特集コーナー「生命体 生物、ヒト、そして・・・2010年は国際生物多様性年」に、美術部作成の等身大ペーパーアート人物が登場。
  ③5月 地元情報誌の高校紹介コーナーに、図書委員が登場
  ④6月(〜3月)赴任以来初の除籍・廃棄作業
  ⑤7月 初めて、定時制生徒(1年生)への図書館利用オリエンテーション実施。
  ⑥7月 初めて、中学生の体験入学時に、図書館見学を勧めるチラシ配布。
  ⑦9月 入館者1万人(昨年度より2ヶ月早く達成)、赴任以来の全日制生徒への貸出1万冊達成。
  ⑧11月 図書委員会研修で、初の選書実習を市内の書店で実施。
  ⑨12月 全日制・定時制合同「句会に来っかい?」開催
  ⑩1月 全日制生徒一人当たり貸出冊数5冊を突破。

3.恒例の挨拶
(略)                                2011.3.7記

このペーパーの筆者名は以上の見出し中に出てくるので、あえて表記していない。包括的な了解はもちろん得ているが、個別に念を押していないので、ネット検索に比較的に引っかかりづらいようにした。

とにかく、高校図書館ルポルタージュとして優れている。本音が出ている。読み物として面白い。資料入手して全文をお読みくださればと思う。

福島図書館研究所 http://www16.ocn.ne.jp/~hiradate/17.html