コメントありがとう地理先生

今日は土曜日でアルバイトも定休日です。昨日の記事にコメントをつけていただき、レスポンスしましたが、休みを利用して、ここに補足めいたことを書いておきたいと思います。本当は、地理先生の質問に正面からお応えできる「私の考え」があればいいのですが、残念ながらありません。単なる「思いつき」です。

昨日の研修会は高等学校図書館研究会のブロック集会で、午前10時から14時までが司書研修会、14時30分から16時30分までがブロック総会?でした。私が参加したのは、司書研修会で、管内にある10の高校から1校を除いて9校が参加しました。欠席した高校は津波で学校司書(私と同じ市採用のアルバイト)が亡くなり、その補充がされていない高校です。それ以外は県立高校の学校司書で1校だけは臨時職員(産休代行)、後は正職員でした。

私は、この司書研修会に参加したことが一度だけあります。そのときも会場が本校だったからです。私の身分は、たとえ同じ市内でも公用ででかけることはできません。使用者は、そういう命令が出せないのです。ですから、本校で行われるときだけ参加しています。前回は、ちょうど、私が仕事を始めた時で、まる4年前になります。今回私が初めてお目に掛った方は2人、残りの6人は同じ人で意外に異動はないのだと思いました。

4年前の話題は、「業務マニュアル」とコンピュータソフトCASAの使い方で、後者はとくに私にはありがたいテーマでした。今回は、「業務マニュアル」のうち、このブロックが執筆担当になった「図書委員会」「付録:CASAの使い方」でした。このことが、まず、衝撃的でした。丸4年前ですから、マニュアルに何年かけているのかと不思議に思い、不審に思いました。次回の司書研修会例会の予定を2ヶ月後と言っていましたから、2ヶ月に1回くらい、年に4,5回は開いているのでしょうか。テーマは、そのつど変わっているのかもしれませんが、ノンビリしすぎていませんかと思ったのです。

有資格の専門的学校司書がだんだん減らされていく傾向になっているはずだと思うのですが、これでは、「マニュアル」は、無資格の臨時的職員増加に対応するために作ろうとしているのではないかと誤解しかねないではありませんか。これが衝撃の内容です。

県の研修会のテーマが「本の修理の仕方」「和漢書整理の仕方」「朝読書の持ち方」「読書会の運営」以外にどんなものがあったでしょうか?図書委員が保育所に出かけて行って読み聞かせをしたことの報告、英語の本を読む読書マラソンの報告、そんなものしか頭に浮かんできません。

また、出している出版物のなかの統計の部分、図書購入費 (公費・PTA・徴収)や蔵書数は詳しく調査され報告されていますが、入館者数・貸出者数・貸出冊数についての統計はまったくありません。実に図書館が静的にとらえられています。学校司書の仕事ぶりが何冊受け入れ整理した以外にまったく見えてこないのです。授業支援の報告にしても閲覧室を提供した回数でとまっています。

教育委員会が統計として欲しているもの以外を掲載すると公費が使えないのかもしれないのか?そんな勘ぐりさえしてしまいます。

ここまでは、自分の単なる不平、不満の表明です。

次に「思いつき」を書いておきましょう。このくらいのことなら昨日の参加者の誰もが持っておられると思います。置かれた環境下で表明できないだけだと思いたいと思います。

今日の毎日新聞学校図書館賞の小さな記事がありました。学校図書館賞  論文の部 受賞者名(団体名):杉本 洋
事由:論文「学校図書館が主体となって進める学習指導に関する研究―児童の情報リテラシーを育成するための手立ての検証を通して―」
実践の部 受賞者名(団体名):荒川区教育委員会学校図書館支援室
事由:「『生きる力』を育成する学校図書館づくり〜荒川区学校図書館支援室の取り組み〜」
ほかに佐々木宏子先生が尽力された鳴門教育大付属図書館の子育て支援も受賞していたようです。

ゆとり教育」や「総合学習」が表舞台に出てきたときに、それをサポートする学校図書館がなく、人材が図書館にも、教師にもいなかったので、表舞台からの降板が早まったというのが、素人の私の考えです。今年になってやっと遅まきながら上の受賞者のような人が出てきました。人のいる学校図書館荒川区の藤田さんのような先生が全国に数千人いらっしゃってはじめて「ゆとり教育」や「総合学習」が成功する条件が整うのに、その条件整備もしないで実践に移した文部科学省の戦略なしの教育施策がまずかったと私は思うのです。

ところが、最近になって、「覚える学習から考える学習へ」「覚えさせる教育から考えさせる教育へ」と言った教育改革の声が上がり始めているようです。これは国際競争力の観点からの発想のようでありますが、こんどこそチャンスだと思うのです。ここで図書館現場からアクションを起こすべきだと思うのです。

その一つが学校図書館=読書=国語科=読書感想文、これからの脱皮です。学校図書館=考える力生きる力をつける=(科目については総合学習ってまだ残っているのでしょうか?残っていればそれでいいのですが、生活科や社会科等すべての教科で対応できます)=研究調査発表文へと意識してシフト変更していくべきです。

司書研修会のテーマは、「学校図書館が主体となって進める学習指導に関する研究」「さまざまな授業支援の事例に学ぼう」「生徒の情報リテラシーを育成するための手立て」「『生きる力』を育成する学校図書館づくり」「学校図書館を活用した調べる学習」という風に具体的に変えていくべきです。読書感想文コンクールも「図書館を使った調べる学習コンクール」に変えていくべきです。

急な変革に抵抗が強いところでは並行でいいでしょう。読書も感想文も残していいでしょう。それが悪いと言っているのではなくて、「それさえしていれば安泰」という考えは、少なくともなくして欲しいと思うだけです。

それから学校司書の仕事の可視化です。PR方法の改良です。統計項目の変更です。上に例示した研修等で得たことを実践に移してその成果をPRする。これをしないで現状のままに留まっていれば、学校司書=本の番人という世間の認識から逃れません。この「本の番人」は、私自身3人もの人から言われています。「いま学校図書館でアルバイトしている」というと「ああ、本の番人みたいな仕事ね。楽でいいね」家内の親戚の現役の大学生からこう言われた時には、本当に驚きました。小学校・中学校・高等学校・大学のすべてでいい図書館員と出会っていないことの証明でしょう。

私のこのブログの読者は3人から5人くらいしかいらっしゃらないようですから、盛り上がらないとは思いますが、ぜひこの私の「思いつき」へのコメント、反論も歓迎しますが、およせください。ブログのタイトルを「検索」にかかりやすい普遍性のあるものに変更しておけば、いつか誰かの眼にとまることがあると思います。

「このままでは、学校図書館はよくならない」と思う「ごまめの歯ぎしり」でした。