高等学校図書館の課題

昨日は離任式で出勤したが、図書館は休み。31日も出勤するが休館である。そこで、この一年を振り返ってみて、課題をあげてみる。当然、この課題は、ひとつの市立高校の具体的な課題で、普遍性は少ないだろうが、参考になればと思う。

1.運営の体制の問題
 学校図書館は教育と密接に関わるのだから、教員が責任を持つのが当然だが、3人いる担当教員は、形式的に運営に関わるだけである。乱暴に言えば、日々の学校生活のなかで図書館が念頭にのぼることは、ほぼない。
 事務職員も他の業務と兼務。予算管理だけで精一杯である。そこでアルバイトの私を雇っている。

 この教員と事務職員とアルバイトの三者が、意見を交わすことは、ほとんどない。というより、運営方針というものもなく、ただ図書館を開いているくらいの認識しかない。つまり、生徒に自習の場所と読書機会の提供さえしていればいいとの暗黙の了解があるのだろう。
 学校図書館が、授業つまり生徒の学ぶ意欲そのものを刺激するために、役立つところだという発想が皆無である。これが課題の第一である。

2.予算の問題
 生徒から図書購入費を集めている。(市からは計算上はいくらか来ているのだろうが、実際には使用していない)ただ、その単純な、生徒数を掛けた図書購入費の満額を使ってはいない。視聴覚教材とかなんとかにも使われているようで、アルバイトの私には明らかにしてくれないようだ。継続図書・雑誌を別にして、年2回の図書委員の生徒による店頭見計らいによる購入で80パーセントほど使用し、あとはリクエスト用となる。
 ただ、このリクエストは、私の前は、年2回の図書委員の生徒による店頭見計らいによる購入のための材料として処理されていた。

3.図書委員
 生徒たちの委員会活動で教育活動の一環だろうから、教師が図書館でどういう仕事をするのかを説明しているはずと思ってきたが、どうやら、何もしていないようである。1年間、ほとんど図書館にこない委員もいた。ということは放任ということだ。つまり責任体制がない。

4.統計を運営に活かすという発想
 いままでは、そういうことがなされたという資料が見当たらない。すくなくとも材料だけは提供したいと考えてる。

 貸出冊数
 平成17年度  2,418冊
 平成18年度  1,841冊
 平成19年度  1,402冊
 平成20年度  2,599冊

 平成20年度の伸びは卒業した3年生の伸びで、1.2年生、特に1年生は利用が少ないので、来年度の見通しは暗い。